六畳の享楽

アニメ・ゲームの感想を書いたりするつもりです

『王と枢機卿』『トーレス』雑感

またまた昔なじみとアナログゲームを楽しんできた。

今回は久々に大物のボードゲームをプレイ出来たので、そのあたりの雑感をば。

王と枢機卿

権力網を途切れないよう張り巡らせる修道院コマ、エリアの覇権を争う枢機卿コマの二面からエリアマジョリティを目指すゲーム。

ボードゲームらしい重厚感のある見た目に反して、手番に行えることはいたってシンプルなので、全員初プレイでもサクサクと進んだ。サクサク過ぎて展開の起伏に乏しい*1ようにも思ったが、その辺りは慣れるにしたがって勝負どころが見えてくることで解決されるんだろう。プレイヤーに訓練が求められる感じ。

終わってみると、「競り合った末にギリギリ勝つ」ことが利益の最大化に繋がるようにデザインされていることが感じられて印象的だった。誰も見向きもしない地方でお山の大将やってちゃ大した名声は期待できない。力を示すには丁度いい踏み台が必要という含蓄あるゲームだなあ。

トーレス

広くて高い城を造り上げて騎士コマを送り込み、高いところを陣取るゲーム。

権威に弱い僕にはドイツ年間ゲーム大賞受賞作という点ももちろん魅力的だったけど、一番はコンポーネントから溢れるロマンにやられた。人間というものは、積むのも好きだし登るのも好きなんだよ*2

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プレイヤーの思惑が絡み合って作られる城は、プレイする度にその姿を変える。城の形はそのまま争いの記録であり、それが立体的に目の前に表れているというのは強い。実際、その場にいる人達で作り上げたという事実はプレイ後の充実感に直結しているように感じた。

城を階段状に作って登り降りするという直感的な動きの他に「扉」ルールとアクションカードによる移動があり、それらがいいスパイスになっていた。それらの移動手段によって、3次元的に広がるフィールドでの奇抜な動きが生まれていて、戦術的な幅もあり、盛り上がり的にも良かった。*3

インストにとんでもなく時間がかかったけど、慣れてしまえば難しくないように思うので、今後活躍する場が多くなりそうなゲーム。ただ、箱がでかいんだよなあ……

おわりに

僕の運搬能力の限界から、最近はゲーム会と言ってもほとんどカード系ばかりだったのだけれど、やはりたまにボードゲームらしいゲームをプレイすると満足感が違うと感じた。でかいボードゲームを安定してプレイできる環境を構築したいなあ。


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*1:この点、プレイ時間の短いカードゲームでは良い方に効くような。同デザイナー作のコロレットなんかがそれか。

*2:たぶん。

*3:予想外の一手で妨害されると、悔しくもあり感心もする。そんな感じ。