六畳の享楽

アニメ・ゲームの感想を書いたりするつもりです

アクションゲームにおける声の演出かっこいい

最近あまりにゲームをやらなすぎていると思ったので,先週末に『The Unfinished Swan』というゲームを衝動的に購入し*1,その日のうちにクリアした.

The Unfinished Swan | プレイステーション® オフィシャルサイト

リンク先を見てもらえばなんとなく伝わると思うが,このゲームは少しアート寄りな印象のあるインディーズゲームという感じ.『風ノ旅ビト*2を購入していると安くなるという点からもわかるかもしれない.なのでまあ,初っ端から実に尖ったデザインというか,一発ネタをめっちゃ洗練してかっこ良くしましたー,と言うのがしっくり来るかと思う.


以下,ネタバレ注意.


その中で今回注目したいのは,最終章のナレーション演出.そこではプレイヤーがこれまでに通ってきたステージに似た世界を,NPCの昔語りという体で追体験する.ステージの奥へ進むごとにナレーションが進行していくのが,まるでプレイヤーをクライマックスへと追い立てているかのように感じられて非常にわくわくした.ゲーム要素的には目新しいものが全くない,いわば使いまわしなのだが,むしろこの章のためにこれまでがあったのではと思えるほどに引き込まれた.全4章と短いゲームにも関わらずその内の1章を丸々この演出のために費やすことからも,この演出への制作者の気合は伺い知れるかと思う.

これでふと思い出したのが『アンチャーテッド*3シリーズ.かなりメジャーなので知ってる人も多いと思うが,こちらは映画的な展開・セリフ回しをリアルタイムに体験しながら進めるゲーム.このゲームをプレイした時も大変わくわくした記憶があるので,僕はこういう演出が好きなようだ.歩いている時や仕掛けを動かしている時にペラペラ喋ってくれるだけで臨場感のようなものが生まれていたと思う.アクションの間の箸休め的にセリフが入るのとはまた違った趣があった.

しかしこの演出にはローカライズの壁がたちはだかるよなあ.インディーズゲームの話に絞ると,凝ったものってやっぱり海外勢の勢いが強いと思うんだけど,リアルタイムに流れてくるナレーションを聞きながらプレイするとなるとやっぱり母国語じゃないと入り込めないよね.音楽は国境を越えても,言語はやっぱりなかなか越えられない.*4

そう思って色々調べてたら,日本語へのローカライズを完全に行うことを前提としたインディーズゲームポータルがあるようで驚いた.インディーズゲームと言うとSteamの印象しかなかったけど,こういう差別化のポイントを持っているところは支えてあげたくなる.時間ができたらいくつか買ってみようかな.(しかし声までローカライズしてくれているだろうか……?ちと不安.)

インディーズゲームならPLAYISM

まあそれはさておき,こういう演出に目が向いてしまうと,ちょっくら自分の作るゲームにも盛り込んでみたくなったりするわけで.妄想だけが広がって良くないなあ,という話でした.


余談1
最終章での鏡の演出もおもしろかった.昔語りへの導入が唐突でわかりづらいのに対して,鏡によって今プレイヤーが誰なのかを示すというのがなかなか良かった.それが極まっているのが葬儀のシーンでの柱を挟んだ一瞬の切り替わり.あれはやってもらわないと伝わらない感動があると思う.

余談2
タイトルもローカライズしてほしい派としてはこのタイトルは好かんなあ.いまいち垢抜けない.

*1:こういうときDL販売は便利.

*2:積んである.

*3:実はクリアしていないのだが.壊滅的にFPS,TPSのセンスがないんだよ…….『バイオショック』も途中で積んでるなあ…….

*4:そう考えると音楽すげえ.(今更)